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会計事務所は税理士資格を活かして独立・開業しやすい点や、同業種への転職が比較的容易なことから、一般的に離職率が高いと言われています。 しかし、中には事務所自体に問題があり、次々とスタッフが辞めていくケースも存在します。「周囲がどんどん辞めていく中、自分はこのまま残っていていいのだろうか」「今の職場を辞めて独立・開業しても大丈夫なのか」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、退職者が多い事務所に見られる特徴と離職者が出にくい職場を作るための取り組みについて詳しく解説しています。 「人が辞めない環境をどう作ればいいのか知りたい」と思っている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 人が辞めていく会計事務所の特徴 この章では人が辞めていく会計事務所の特徴について解説します。 給与が低い 「最初は給料が低くても、頑張り次第でしっかり上げていくよ」といった言葉を信じて入社したものの、実際には年1回の定期昇給(それも月額3,000円や5,000円といったわずかな金額)しかなかった、というケースは少なくありません。 転職してみたものの、あまりにも低すぎる給与に後悔する人も多いのが実情です。 残念ながら、職員の努力や貢献に見合った対価を支払わず、労働力を安く使おうとする所長が未だに存在するのも事実です。 甘い言葉や口約束に期待しすぎず、しっかりと条件を確認したうえで入社するか判断しましょう。 ハラスメントがひどい 残念ながら、この業界では職場内でのトラブル、いわゆる“ハラスメント”に関する話を耳にすることがあります。具体的には、以下のような人がいるとトラブルが起きやすいです。 自分独自のルールに固執し、それが通らないと激しく怒る人 部下に対してストレスをぶつけることで、発散の対象にしてしまう人 嫉妬心から他人に攻撃的になり、意図的に嫌がらせをする人 このように、少し風変わりで接し方に困るタイプの人が少なくないのも、この業界の一面と言えるでしょう。 大企業であれば、社内の通報制度などを通じてパワハラを訴える手段がありますが、小規模な会計事務所では組織が閉鎖的であることが多く、こうした問題が表面化しにくい傾向があります。結果として、トラブルが発生しやすい環境になる場合もあります。 ただし、すべての会計事務所がこのような職場環境というわけではありません。 就職を検討する際には、あらかじめ離職率について確認しておくことで、このようなリスクをある程度避けることができます。 激務である 会計事務所の中には、月の残業時間が60時間を超えるような、非常に業務量の多い職場も存在します。 税務や会計の仕事自体は「やりがいがある」「面白い」と感じられることも多いですが、それはあくまで精神的な面での話です。実際に長時間労働が続くと、身体的な疲労が蓄積してしまいます。 特に注意したいのが「繁忙期」です。この期間は業務量が一気に増えるため、体力的にきつくなり、仕事を続けることが辛くなる人も少なくありません。そのため、繁忙期になるたびに「もう辞めたい」と思い始める職員が出てくるのも現実です。 一般的に、会計事務所は残業が多くなりがちですが、全ての事務所がそうとは限りません。中には、正社員でも残業がほとんど発生しない会計事務所も存在します。 「できるだけ残業は避けたい」という方は、応募の際にその事務所の繁忙期・閑散期ごとの平均残業時間について、事前に確認しておくと安心です。 精神的な負担が大きい 会計事務所で働いていると、以下のような場面で精神的に負担を感じることがあります。 税務申告の締切に追われる中での緊張感やプレッシャー 些細なミスがクライアントの税額計算ミスにつながる責任の重さ スタッフ同士の意思疎通がうまくいかないことによるストレス もちろん、ストレスを感じるのはどの業界でも起こり得ることですが、会計事務所の仕事は「報酬をいただいて提供するサービス」であるため、正確な税法知識の習得が欠かせず、業務の納期を守るための時間管理能力も問われます。 こうした背景から、「プレッシャーが大きい」と感じる方も一定数いるのが実情です。 ただし、組織の雰囲気や人間関係については、面接時に担当者の人柄を見たり、所内を見学させてもらったりすることで、ある程度事前に把握できます。 実際には、働きやすく、やりがいを感じられる環境の会計事務所も多くあります。自分に合った職場を見極めることが、快適に働くための第一歩です。 割増賃金が支払われない 最低賃金と同様に、割増賃金の支払いは法律で定められた雇用主の責務です。しかし、「やりがい」を過度に強調する職場では、従業員が進んで長時間労働を受け入れてしまい、その結果、時間外労働に対する割増賃金が適切に支払われないケースがあります。 また、労働者が「自分の意思」で残業しているとみなされた場合、会社側がその労働時間を正式な労働時間として扱わず、時間外や深夜労働に対する賃金が支払われないこともあります。よって、労働者が正当な報酬を受けられない状態に陥ってしまいます。 有給休暇の取得が難しい 「やりがい」の名のもとに、休暇を取ること自体に後ろめたさを感じさせるような雰囲気をつくり出す職場も存在します。そうした環境では、有給休暇を申請しづらく、いざ取得しようとしても「今は踏ん張りどきだから」などと言われ、実質的に休暇の取得が妨げられることがあります。 また、従業員が強い責任感から自ら進んで長時間働いている場合、会社はその状況に依存し、意図的に休暇取得を先延ばしにさせることも考えられます。 任意イベントへの参加が実質的に強制される 「自由参加」とされているイベントが、実際には出席しないと不利になるような暗黙のルールになっている企業も少なくありません。業務とは関係のない休日の集まりであっても、「チームワークの一環」として出席を求められ、欠席した場合に評価や人間関係に影響を及ぼすことがあります。 さらに、「自己成長」や「組織貢献」といった言葉を用いて参加を促されると、従業員は自発的に出席せざるを得ない状況に追い込まれます。 こうした強制的な雰囲気も、「やりがい搾取」の典型的な形といえるでしょう。 職場の雰囲気が悪い 会計事務所での業務は、一人で黙々と進める作業が中心となるため、どうしても会話の機会が少なくなり、スタッフ同士のコミュニケーションが不足しがちです。 これは職業上、ある程度避けられないことではありますが、そうした環境でも雰囲気を良くできるかどうかは「所長」の手腕にかかっています。とはいえ、所長も一人の人間であり、なかには人付き合いが得意でない方や、コミュニケーションをあまり重視しない方も存在します。 その結果、職場の雰囲気がギスギスしたり、無駄に緊張感のある空気になったりしてしまうケースも多いです。 もっとも、こういったリスクは、リモートワークを中心とした会計事務所を選ぶことで避けることが可能です。近年では、完全リモートで業務を行う会計事務所も増えてきていますので、柔軟な働き方を求める方にとっては選択肢が広がっています。 会計事務所の離職率を下げるための対策 会計事務所の中には、離職率が低い事務所もあります。離職率が高い事務所と比べて、どのような点が異なるのかを紹介します。 業務の効率化を進める […]