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法人向け会計ソフト完全ガイド|比較・機能・選び方を解説

(士業DXアドバイザー) 藤本理恵2026年1月19日 · 6 読了目安

事務所業務を、ひとつのプラットフォームで

分散していたツールを、会計事務所向けに設計されたTaxDomeへ。10,000以上の事務所、300万人超のクライアントに利用されています。
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法人向け会計ソフト完全ガイド|比較・機能・選び方を解説

企業の財務情報は、経営判断の根幹となる最重要資産です。どれほど優れた戦略を掲げていても、数字が誤っていれば意思決定を誤り、事業の継続性にも大きな影響を与えます。こうした背景のなか、近年急速に普及しているのが、クラウド会計ソフトを中心とした法人向け会計ソフトです。

企業の会計・経理業務は、手作業や紙・Excelに依存する構造が長く続いてきました。証憑の収集、仕訳の入力、請求処理、月次締め、決算……。いずれも属人化しやすく、担当者の経験や知識に大きく依存していました。しかし電子帳簿保存法の改正、インボイス制度の開始など、法制度が「デジタル保存・電子取引」を前提に再構築されたことで、会計プロセス全体のデジタル化が急務となっています。

この流れの中心にあるのが、クラウド会計ソフトを含む法人向け会計ソフトの活用です。取引データの自動取り込み、自動仕訳、デジタル証憑の管理、部門別の収益分析、経費精算や請求発行との連携など、企業のバックオフィス全体をつなぐ「基幹システム」として、多くの企業で導入が進んでいます。

令和時代の法人向け会計ソフトは単なる経理ツールではなく、組織全体の業務効率化・情報統制・経営判断の質向上を実現するプラットフォームへと進化しました。本記事では、これから導入を検討する企業に向けて、機能・メリット・比較・選び方を、実務目線で解説します。

目次

  1. 法人向け会計ソフトの主な機能
  2. 法人向け会計ソフトウェアのメリット
  3. 法人向け会計ソフトの比較
  4. 会計ソフトの選び方
  5. まとめ

法人向け会計ソフトの主な機能

法人として利用する会計ソフトを選ぶ際は、「どの機能が自社の業務に必要か」を具体的に把握することが重要です。法人向け会計ソフトが備える代表的な機能には次が含まれます。

1. 自動仕訳

銀行口座やクレジットカード、POSレジ、請求書システムなどと連携し、取引データを自動で取り込む機能です。従来、担当者が手作業で入力していた仕訳作業は、ヒューマンエラーが起きやすい領域でした。自動取り込みとAIによる補助仕訳により、手入力の手間が大幅に減り、月次処理のスピードが劇的に向上します。

2. 決算書・財務諸表の自動作成

法人向け会計ソフトが推奨される大きな理由が、決算処理の効率化です。試算表・損益計算書・貸借対照表などは、日々の仕訳データをもとに自動生成されます。担当者が集計作業に追われる必要がなく、経営陣はリアルタイムで財務状況を把握できます。

3. 税務申告書の作成支援

多くの法人向け会計ソフトは、法人税・消費税の申告書作成をサポートしています。法人税の別表作成や固定資産管理、減価償却費の計算など、煩雑なプロセスを支援する機能が備わっています。

4. 経費精算・領収書管理

社員の立替経費をシステム上で申請・承認する機能です。領収書のデータ化(OCR読み取り)により、ペーパーレス化が進みます。電子帳簿保存法に準拠した保存・検索も容易で、監査対応もスムーズになります。

5.データ分析(部門別・プロジェクト別管理)

部門やプロジェクトなどの管理単位を設定し、収益やコストを軸ごとに集計・分析できる機能です。事業別の採算や不採算プロジェクトを早期に把握できるため、予算配分や人員配置など、経営判断に直接役立つ数字をすぐに確認できます。

6. 外部システム連携(給与・請求書・CRM・在庫など)

請求書発行や給与計算、勤怠管理、顧客管理(CRM)など、企業のバックオフィスは複数のシステムで構成されています。会計ソフトとこうしたシステムが連携していると、取引データが自動で会計側に反映され、入力作業の重複や整合性チェックの手間を大幅に減らすことができます。特に、請求内容の仕訳化や給与計算結果の反映など、毎月発生する定型業務の効率化に大きく寄与します。連携の範囲が広いほど、会計データが一元的に管理でき、経理部門だけでなく人事や営業など他部門の業務負荷の軽減にもつながります。

法人向け会計ソフトウェアのメリット

法人での利用に最適化された会計ソフトを導入することで、企業はどのような価値を得られるのでしょうか。本章ではその代表的なメリットを整理します。

1. 時間削減:月次処理・決算が圧倒的に早くなる

自動仕訳・自動集計機能により、月次処理にかかっていた数十時間が大幅に短縮されます。特にクラウド会計ソフトはリアルタイムでデータが集約されるため、締め作業の負荷が激減します。

2. ミスの防止と正確性の向上

人力での入力作業が減ることで、ケアレスミスの発生は大幅に抑えられます。さらに、チェック機能や仕訳ルールを活用することで、日々の会計処理の正確性が高まり、数字の信頼性を一段と確保できるようになります。

3. コンプライアンス対応(電子帳簿保存法・インボイス制度)

近年、電子取引データの保存要件やインボイス制度など、「紙ではなくデジタル前提」のルールが増えています。クラウド会計ソフトはこれらの法制度変更に素早く対応し、システム側が最新の基準にアップデートされるため、法令遵守リスクを最小化できます。

4. コスト削減(人件費・紙・郵送)

経理担当者の時間削減だけでなく、紙の印刷や郵送、保管スペースなどの間接コストも抑えられます。社内フローの効率化により、総務・営業など他部署の業務負荷も軽減されるケースが多くあります。

5. 経営判断に役立つリアルタイムデータ

試算表やキャッシュフローをリアルタイムで確認できるようになります。財務情報が即座に可視化されることで、投資判断・資金繰り・採用計画などの意思決定がより迅速になります。

法人向け会計ソフトの比較

法人向け会計ソフトを比較するとき、最初は「どれも同じように見える」という感覚になりがちです。仕訳入力、試算表、決算書作成といった基本機能だけで比べれば、確かに大差はありません。しかし、実務で効いてくるのは「入力の手間がどれだけ減るか」「周辺業務(請求・経費・給与など)と自然につながるか」「運用ルールや内部統制に耐えられるか」といった、現場の運用に直結する部分です。導入後に“効く”のは機能の数ではなく、日々の作業が本当に軽くなる設計かどうか。ここでは、日本で導入実績が多い代表的な会計ソフトを取り上げ、価格帯(目安)・主な機能・向いている企業規模・メリットと注意点を整理します。なお、価格やプラン構成は改定されることがあるため、最終判断では必ず公式情報をご確認ください。

主要ソフトの比較表(目安)

ソフト名 価格帯(目安) 強み(主な特徴) 向いている企業規模
弥生会計 年額数万円〜 基本機能が安定・従来型経理に馴染む 小〜中規模
freee会計 月額2,000円〜 自動化・直感的な操作 個人〜小規模法人
マネーフォワードクラウド会計 月額3,000円〜 バックオフィス全体の一体運用 小〜中規模
勘定奉行(OBC) 年額数十万円〜 内部統制・監査対応を想定した設計 中〜大企業
PCA会計 年額数万円〜 老舗の業務ソフト群・運用の堅さ 小〜中規模(業務ソフトを揃えたい企業)

弥生会計

弥生会計は、中小企業で長年使われてきた定番ソフトで、仕訳入力から決算書作成までの基本機能が堅実にまとまっています。会計業務の考え方が従来の経理実務に沿っているため、紙やExcel中心の運用から移行する際に“経理のやり方そのもの”を大きく変えずに導入しやすい点が特徴です。デスクトップ型とクラウド型の選択肢があり、社内の運用方針(社内完結か、どこまでクラウド化するか)に合わせた設計がしやすいのも利点です。価格帯は年額数万円からが目安で、コストを抑えながら安定した会計環境を整えたい企業に向きます。

メリットとしては、入力や帳票が分かりやすく、経理担当者が短期間で運用に乗せやすいこと、基本機能が安定していて長期運用に向いていることが挙げられます。一方で注意点は、銀行明細の取り込みや周辺ツール連携など“自動化・連携の厚み”を最重視する場合、クラウド専業製品ほどの軽快さを期待しない方がよい、という点です。既存フローに沿って確実に回したい企業の「堅実な選択肢」として位置づけると判断しやすくなります。
公式サイト:https://www.yayoi-kk.co.jp/

freee会計

freee会計は、クラウド会計を牽引してきた代表的なサービスで、入力作業の自動化を前提に設計されている点が大きな特徴です。銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、取引に応じた仕訳を提案する流れが中心となるため、日々の記帳を“手入力で積み上げる”発想から、“明細を起点に整える”発想へ移行できます。月額2,000円程度から利用でき、導入のハードルが低いこともあり、個人事業主や小規模法人、設立間もない組織で採用されやすい傾向があります。

メリットは、入力負荷が減りやすく、経理専任者が少ない環境でも運用を立ち上げやすいこと、画面が直感的で学習コストが抑えられることです。注意点は、部門別や案件別など管理軸が増えてくると、初期設定や運用ルールを丁寧に設計しないとデータが散らかりやすいこと、プラン(機能構成)によってできる範囲が変わるため、導入前に「どの業務までをこのソフトで担うか」を先に決めておく必要があることです。まずは“日常の入力を軽くする”目的で選ぶと、効果が分かりやすい製品です。

公式サイト:https://www.freee.co.jp/

マネーフォワードクラウド会計

マネーフォワードクラウド会計は、会計単体だけでなく、請求・経費・給与・勤怠といったバックオフィス領域を同一シリーズで段階的に整えられる点が強みです。会計の入力負荷を下げることに加えて、「請求→入金→会計」「経費申請→承認→会計」「給与計算→仕訳反映」といった周辺業務のつながりを一体で設計しやすく、入力の重複やチェックの手間を減らしやすくなります。価格帯は月額3,000円前後からが目安ですが、利用するサービス構成や運用範囲によって変動するため、導入時点で“どこまでをクラウドに寄せるか”を決めるのがコツです。

メリットは、バックオフィス全体の整合性を取りやすく、成長に合わせて機能を追加しやすいこと、周辺サービスとの連携が豊富で運用設計の選択肢が広いことです。注意点としては、導入時に業務フローの整理(誰がどこで入力し、どこで承認し、何を会計に流すか)を行わないと、逆に運用が複雑になる可能性があることです。会計の最適化だけでなく、バックオフィス全体の再設計まで視野に入れる企業に向いた選択肢です。

公式サイト:https://biz.moneyforward.com/

勘定奉行(OBC)

勘定奉行は、内部統制や監査対応を重視する企業で採用されやすい高機能型の会計ソフトです。承認や管理のルールを前提に設計しやすく、運用の正確性・透明性を確保する方向に強みがあります。経理担当者が増えたり、権限分掌が必要になったり、監査対応を見据えて証跡を明確に残したい局面では、こうした“管理に強い設計”が効いてきます。価格帯は年額数十万円規模が目安で、導入・運用コストは相対的に高めですが、その分、統制の厳格さを求める企業にとっては安心材料になります。

メリットは、統制・監査に耐える運用を組み立てやすいこと、組織規模が大きくなってもルールを維持しやすいことです。注意点は、導入時に要件整理と設定が必要になりやすく、短期で“とりあえず使い始める”には不向きなこと、費用面で小規模組織には過剰になりやすいことです。会計を単なる入力ツールではなく、管理基盤として位置づける企業で検討価値が高い製品です。
公式サイト:https://www.obc.co.jp/

PCA会計

PCA会計は、業務ソフトの老舗として知られ、会計だけでなく給与や販売管理などの周辺領域も含めて“業務ソフト一式”として揃えやすいのが特徴です。運用面では、会計実務に沿った堅実な設計で、日々の入力・帳票・締め処理を安定して回したい企業と相性があります。価格帯は年額数万円からが目安で、規模としては小〜中規模企業で検討されやすいレンジです。クラウド・オンプレミスの選択肢や導入形態は製品ラインナップにより異なるため、運用方針(クラウド前提か、社内運用を重視するか)を先に固めておくと選びやすくなります。

メリットは、会計を中心にしつつ周辺領域まで含めて“業務ソフトの整合性”を取りやすいこと、運用が安定しやすいことです。注意点は、完全に自動化中心のクラウド体験を求める場合、導入効果の出方が異なる可能性があること、周辺ソフトを含めて構成を組む際は要件整理が必要になることです。堅実な業務ソフトでバックオフィス基盤を整えたい企業にとって、有力な比較対象になります。
公式サイト:https://pca.jp/

法人向け会計ソフトは「人気ランキング」で選ぶより、「自社の実務のどこを軽くしたいか」で選ぶ方が失敗しません。入力負荷を最小化したいのか、請求や経費まで一体でつなぎたいのか、統制や監査に耐える管理基盤が必要なのか。目的が定まるほど、比較の軸が明確になり、導入後の効果も出やすくなります。

クラウド会計ソフト選びのポイント

会計ソフトの選び方

法人向け会計ソフトを比較・選定する難しさは、どれも機能が豊富で一見すると大差がないように映る点にあります。だからこそ、自社の業務内容や運用体制を基準に「本当に必要なポイント」を見極めることが欠かせません。ここからは、実際の現場で判断する際に役立つ視点を整理していきます。

1. 会社規模・業種との相性を見極める

ビジネス向けの会計ソフトは、企業規模に応じて求められる要件が大きく変わります。

経理担当者が少なく、日々の業務をできるだけシンプルに回したい場合

日常の取引件数がそれほど多くなく、経理担当者も限られている組織では、操作に迷いにくい画面構成や、仕訳・明細取り込みの自動化といった“扱いやすさ”が非常に重要になります。画面のわかりやすさ(UI)や、設定をしなくても自然と仕訳が提案される仕組み、さらに月額料金の負担が抑えられることが選定の大きなポイントです。

freee やマネーフォワードがこうした環境で選ばれやすいのは、操作が直感的で、日々の入力作業等が軽い負担で進められるよう設計されているためです。

従業員が増え、部署や担当領域が分かれ始めてきた段階の場合

人数や業務範囲が広がるにつれ、会計処理にも「部門別」「案件別」「資産管理」といった複数の管理軸が必要になってきます。承認フローも一定のルールに沿って運用する必要が生まれ、会計ソフト側に求められる機能はより多様になります。

このような状況においては、部門別の集計、ワークフロー機能、固定資産管理などの実務機能がしっかり整っているかどうかが重要な判断材料です。弥生会計や勘定奉行がよく選ばれるのは、こうした管理レベルを想定して設計されており、法制度や内部統制への対応がしやすいという背景があります。

事業内容によって変わる「必要な会計機能」

企業の会計業務は、業種や事業モデルによって必要となる処理や管理項目が大きく異なります。製造業では原価計算や在庫管理が重要になり、建設業や士業のように案件ごとの収支が中心となる業界では、プロジェクト単位での管理が欠かせません。小売業であればPOSデータや在庫連携が日常的に発生し、IT・SaaS企業の場合は経費精算や継続課金の管理など、日々扱う数字の種類そのものが多様になります。

このように、事業内容によって求められる会計機能は自然と異なってきます。自社に必要な機能と会計ソフトが提供する機能が一致していないと、導入後に「必要な項目が扱えない」「管理したい軸がソフトに合わない」といったギャップが生まれやすくなります。どの機能が必須で、どこに柔軟性を持たせたいのかをあらかじめ整理しておくことが、導入後に後悔をしない選定につながります。

2. クラウドかオンプレミスかを早期に判断する

会計ソフトには、クラウド型とオンプレミス型という二つの提供形態があります。クラウド型はインターネット経由で利用し、サーバー管理や更新作業をサービス側が担当します。オンプレミス型は、自社PCや社内サーバーにインストールして運用する方式で、データを社内に閉じて管理できる点が特徴です。どちらが適しているかは、業務内容だけでなく、社内のIT体制や求めるセキュリティレベルによって変わります。

<クラウド会計ソフトの利点> ● 法改正への対応が自動 ● どこからでもアクセス可能 ● PC更新時の移行が簡単 ● データバックアップ不要(サービス側で管理) ● 他のクラウドサービスと連携しやすい

インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正に自動で対応できる点は、クラウド型の大きな強みです。

<オンプレミスの利点> ● 社内ネットワーク内で管理できる ● セキュリティ方針を自社ルールに統一できる ● 高度なカスタマイズが可能

金融・医療・製造など、機密性や規制が特に厳しい領域では、オンプレミス型が求められるケースもあります。

社内のIT体制がどれだけ整っているかという点が、クラウド・オンプレミス選定の大きな要素のひとつです。クラウド型は、サーバー管理やアップデートを自社で担う必要がなく、専任の運用体制を持たない組織でも無理なく運用できます。一方でオンプレミス型は、セキュリティ方針の策定やシステム保守を自社で行える体制があるほど活用しやすく、ガバナンスを厳密に求める組織と相性が良いといえます。

3. 他システムとの連携力を必ず確認する

会計ソフトの設計思想は大きく「会計中心型」と「バックオフィス統合型」に分かれます。

● 会計中心型(弥生、勘定奉行など)
会計機能そのものが強く、請求・給与・在庫といった周辺領域は、外部システムとの連携を前提に設計されています。既存の基幹システムを活かしつつ会計部分を強化したい企業に向いています。

● バックオフィス統合型(freee、マネーフォワードなど)
請求書発行、経費精算、給与計算、ワークフローなど、会計以外の領域もまとめて管理する思想です。バックオフィス全体をクラウド上で統合したい組織に適しています。

いずれの場合も、次のようなシステムとどれだけ連携できるかが運用のしやすさを左右します:

● 請求書発行システム ● 給与・勤怠管理 ● 経費精算ツール ● CRM / SFA ● 在庫管理 ● プロジェクト管理ツール ● 銀行・クレジットカード明細

会計ソフト単体で便利でも、他のシステムとつながらなければ、情報が各所に散在し、かえって業務効率を下げる原因になることがあります。特に成長過程にある企業では、後から新しいツールを導入することが多いため、外部連携のしやすさ(APIの有無、連携可能サービス数)は必ず確認しておくべき重要ポイントです。

4. サポート体制・学習コストを評価する

機能や価格と比べると見落とされがちですが、導入後のサポートは日々の業務に大きく影響します。操作が分からずに業務が止まったり、問題が解決しないまま放置されたりすると、生産性に直結するためです。確認しておきたいポイントは次の通りです:

● 初期設定やデータ移行の支援があるか ● 電話・チャット・メールなどのサポート手段と品質 ● 操作マニュアルや動画などのドキュメントが充実しているか ● コミュニティやナレッジベースの有無

特にクラウド型の会計ソフトはアップデートが頻繁に行われるため、担当者が使いこなせず「宝の持ち腐れになる」ケースも珍しくありません。導入後のフォローが手厚いか、そして担当者が短期間で操作を習得できるかどうかは、ソフトの良し悪しに直結する重要な判断要素です。

5. 価格と機能のバランス(費用対効果)を見極める

価格は分かりやすい指標ですが、費用だけで選ぶのは危険です。企業にとって本当に重要なのは 「必要な機能が標準で備わっており、長期的に無理なく運用できるかどうか」 です。料金を見る際のポイントは次を含みます:

● 月額課金 / 年額課金か ● 利用ユーザー数による料金の増加 ● オプション追加の必要性と費用 ● 保存容量や機能制限の条件 ● 初期費用の有無(オンプレミス型に多い)

クラウド型であれば数千円から始められますが、ユーザー数が増えると料金体系も変わる場合があります。また、価格が安くても必要な機能が揃っていなければ結局別ツールを追加することになり、トータルコストはかえって高くなるケースもあります。

価格は“単体の数値”ではなく、機能・運用負荷・将来の拡張性 を含めた総合的なコストとして判断することが重要です。

6. セキュリティ・データ管理方針を確認する

会計データは企業の中でも最も重要な情報資産のひとつです。クラウド型を検討する際には、次の点を必ず確認しておく必要があります。

● データセンターの所在地 ● 保存時および通信時の暗号化方式 ● アクセス権限とユーザー管理の細かさ ● 監査ログや操作履歴の取得範囲 ● 自動バックアップの頻度 ● 認証方式(2段階認証など)

企業のセキュリティポリシーと会計ソフト側の管理方針が一致していないと、運用中に制約が生まれたり、思わぬリスクにつながる可能性があります。導入前に、どこまでのセキュリティ水準を求め、どこをソフトに任せるのかを明確にしておくことが大切です。

まとめ

会計ソフトは、単に仕訳や決算を効率化するための道具ではありません。企業の財務データを正確に管理し、日々の業務負荷を軽減し、法制度の変化に確実に対応するための基盤そのものです。どの会計ソフトにも優れた点はありますが、最も重要なのは「自社の業務フローや管理レベルに合っているかどうか」です。

● 日々の入力をできるだけシンプルにしたい組織 ● 部署や案件単位で収支を管理したい組織 ● 請求・経費・給与などを含めてバックオフィス全体を統合したい組織 ● 厳格な内部統制やセキュリティ要件を満たす必要がある組織

それぞれ求める条件は異なり、必要な機能も異なります。クラウドかオンプレミスか、外部システムとの連携度、サポート体制、セキュリティの考え方などを丁寧に比較することで、長期的に安心して使い続けられる会計ソフトを選ぶことができます。

会計ソフトの選定だけでなく、企業のバックオフィス全体をどのように効率化していくかという視点も欠かせません。特に会計事務所や士業の業務では、会計ソフトでは扱いきれない「顧客とのやりとり」「資料の収集」「タスク管理」など、周辺業務の効率化が生産性に直結します。

そこで近年注目されているのが、TaxDome(タックスドーム) のような「士業の業務全体を統合するオールインワンプラットフォーム」です。

TaxDome(デスクトップ&モバイル)

TaxDomeは、アメリカを中心に 世界で30,000以上の会計・税理士事務所が利用する国際基準のプラットフォーム で、顧客ポータル、電子署名、ドキュメント管理、ワークフロー、請求・入金管理など、士業の主要業務を一つに統合できます。2024年の日本版リリース以降、全国の税理士・会計事務所でも導入が急速に広がっており、バックオフィスを一元管理するための有力な選択肢として注目されています。また、国内でも活用が進むにつれ、税界タイムスをはじめとする業界メディアで取り上げられる機会が増え、事務所のデジタル化を進める上での新しいプラットフォームとして認知が広がっています。

※実際の運用イメージについては、TaxDome を導入している次の事務所の事例が参考になります。

導入事例:MOVE ON税理士法人(福井)

会計ソフトとこうした総合プラットフォームを併用することで、「会計処理の効率化」+「事務所全体の運営効率化」 の両方を実現でき、より強いバックオフィス体制の構築につながります。

最終的にどのツールを採用するかは、現場の業務構造や求める運用レベルによって変わります。会計ソフトが財務処理の基盤を整え、総合プラットフォームが周辺業務を支えることで、バックオフィス全体はより安定した形に近づいていきます。自社の業務に合った仕組みを丁寧に選び、組み合わせていくことで、日々の運用負荷は確実に軽くなり、事務所・企業としてのオペレーション体制の強化に繋がるでしょう。

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(士業DXアドバイザー) 藤本理恵
執筆者: (士業DXアドバイザー) 藤本理恵
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士業事務所の業務改善やクラウド活用に関する調査・分析に携わる立場から、
バックオフィス改革やDX推進に役立つ実務的な情報を発信。専門分野は、会計・税務分野のクラウド化と業務フローの最適化。

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TaxDome導入で実現した業務効率化と顧客満足|税理士法人 MOVE ONの活用事例

福井県福井市に拠点を置く「税理士法人 MOVE ON」は、主に中小企業の成長支援を軸とする会計・税務・経営コンサルのプロフェッショナル集団。「数字の先にある人の想い」を大切にし、経営者の人生そのものに寄り添うスタイルで、財務・会計の枠を超えた総合的な経営支援を行っています。 経営数字の背後にあるストーリーを読み解き、社長の人生設計や事業の方向性まで共に考える姿勢は、多くの中小企業経営者から厚い信頼を得ています。 同社は、税務や会計にとどまらず、財務支援や補助金申請、事業承継支援などにも積極的に取り組み、企業の持続的な成長を多角的にサポートしています。こうした中小企業の経営課題に幅広く寄り添う姿勢は、税理士法人 MOVE ONならではの特徴のひとつです。2023年には、全国約1,700の会計事務所の中から「経営革新等支援機関推進協議会」により3年連続TOP100事務所に選出され、その実践的な支援体制と社会的な貢献が高く評価されました。 福井を拠点にしながらも、全国各地の企業から相談を受けるなど、地域に根ざしつつ広い視野で経営サポートを行う同社。クラウドツールやDXへの取り組みにも積極的で、常に「より良い働き方」「より高い顧客満足」を実現するための新しい方法を模索し続けています。 さらに、同社が展開するコンサルティング会社「一般社団法人 MUSCLE and MONEY」では、“勝ち残りたい小企業のためのサバイバル戦略”を掲げ、経営の現場に寄り添った実務支援や戦略設計を推進しています。財務・会計にとどまらず、企業が持続的に成長していくために必要な視点を多角的に捉え、未来に向けた経営基盤づくりを後押しするこの姿勢は、税理士法人 MOVE ONの仕事観そのものを象徴するものです。こうした「経営の継続性」を重視する考え方は、日々の業務や顧客支援のあり方にも一貫して息づいています。 本日は、同社代表の孫崎健次さん、そして実務の中心を担う土井有香さんに、TaxDome導入の背景と、業務現場での活用についてお話を伺いました。 目次 複数ツールを使って見えた“限界”と、TaxDome導入の背景と決め手 自動化と一元管理がもたらした、業務革新とチーム連携の進化 顧客対応から社内連携まで:コミュニケーションを変えたひとつのプラットフォーム 理念と実務をつなぐ、士業DXのブループリント 目次 目次 複数ツールを使って見えた“限界”と、TaxDome導入の背景と決め手 自動化と一元管理がもたらした、業務革新とチーム連携の進化 顧客対応から社内連携まで:コミュニケーションを変えたひとつのプラットフォーム 理念と実務をつなぐ、士業DXのブループリント 複数ツールを使って見えた“限界”と、TaxDome導入の背景と決め手 多くの税理士・会計事務所にとって、顧問先とのデータ共有やコミュニケーションをいかに効率的に行うかは、常に頭を悩ませるテーマです。税理士法人 MOVE ONでも、電子帳簿保存法への対応が求められ始めた時期に、まずは既存の従来型のデータ共有ツールをいくつか試してみたとのことです。 当初、顧問先とのデータ共有には、税理士・会計事務所向けのクラウドのファイル共有ツールを試していました。電子帳簿保存法に対応していた点は魅力でしたが、実際に使ってみると、事務所へデータ共有を行う度に、顧問先がすべての項目を手入力する必要があり、ツール操作の説明にも30分以上かかってしまったといいます。入力作業の負担が大きく、顧問先にとっても使いづらいもので、事務所側もフォローに多くの時間を取られてしまいました。「事務所サイドとお客様サイド、お互いにとって便利な仕組みを探して、試行錯誤していた時期でした」と、土井さんは当時を振り返ります。 その後、Windowsのエクスプローラーに近い操作感を持つ別のファイル共有ツール「セキュアSAMBA」も試してみたとのことです。フォルダ構成で整理しやすく、使い勝手の面では悪くありませんでしたが、あくまでファイル共有の範囲にとどまり、このツールを導入することにより、顧問先とのやり取りや業務全体の流れを根本的に改善するには至りませんでした。 一方、TaxDomeでは、専用のデスクトップアプリを使えば、セキュアSAMBAのようにエクスプローラー感覚でファイルを操作できます。同じ使い勝手を保ちながら、ファイル共有だけでなく、顧客とのチャットやタスク管理、電子署名といった機能まで同一プラットフォーム上で完結できる。そのため、SAMBAを使い続ける必要はなく、ファイル共有のソリューションとして、TaxDomeに移行することにより、「業務全体を見渡しながら、お客様との関係も一元的に管理できるようになる」と、土井さんは確信したとのことです。 当時、事務所の業務は日々複雑化していました。月次処理や年末調整、確定申告など、顧問先ごとに異なるスケジュールと依頼内容を正確に把握し、スタッフ間で連携を取りながら進める必要があります。従来のように「ファイル管理はAのツール」「チャットはBのアプリ」「タスクはスプレッドシート」といった分散運用では、情報が点在し、作業の重複や見落としも発生しがちでした。 「お客様から『この資料、どこにアップしましたっけ?』と聞かれるたびに、スタッフがそれぞれのツールを確認して回る。これでは本来の業務に集中できない」と、土井さんは感じていました。 TaxDomeの導入を検討する際には、単に“機能が多い”という理由ではなく、「チーム全員が迷わず使えるか」「顧問先にとって負担がないか」を重視したとのことです。 こうして同社は、段階的にTaxDomeを導入。まずはデータ共有とチャット機能から運用を始め、すぐにタスク・案件管理、自動化設定へと活用の幅を広げていきました。結果として、TaxDome導入から約1年で、従来使用していた4つのツールを一本化でき、運用コスト・スタッフ工数の大幅な削減に繋げることができたとのことです。業務と顧客対応の両面で、すでに導入初期から大きな成果を実感していたといいます。 自動化と一元管理がもたらした、業務革新とチーム連携の進化 TaxDome導入後、同社で最も大きな変化が見られたのが「自動化」と「一元管理」でした。税理士・会計事務所の業務は、毎月発生する定型タスクと、案件ごとに異なるスポット業務の組み合わせで構成されています。特に月初は、源泉徴収や給与計算、帳簿データの確認依頼など、事務所全体が同時多発的に動く“最繁忙期”でもあります。 以前は、毎月、各顧問先ごとに案件を手作業で作成していましたが、現在はTaxDome上でそのプロセスを完全に自動化できているとのことです。月初の1日に案件が自動で立ち上がり、担当者が都度作成する必要がなくなったことにより、各業務の立ち上がりがスムーズになり、「月初に集中していた作業負担が大幅に軽減された」とのことです。 たとえば「源泉ダイレクト」という月次案件では、毎月同じ処理が必要になるため、TaxDomeの自動化設定を活用。チャット形式でのお客様への案内メッセージも同時に自動送信されるようにしており、担当者は個別にメッセージを作成する必要がなくなったとのことです。こうした一連の作業がすべて自動で立ち上がるようになったことで、手作業のタスク作成やリマインド作業がほぼゼロに。「担当者が手を動かす時間が大幅に減り、クライアントへのフォローや内容確認など、本質的な業務に集中できる体制を築くことができた」と、土井さんはTaxDome導入効果を振り返ります。 また、タスクや案件の進捗状況がリアルタイムで可視化されるようになったことも大きなメリットのひとつとのことです。担当者だけでなく、管理者や他のチームメンバーもステータスを一目で確認できるため、「いまどの顧問先がどの段階にあるのか」「誰がボールを持っているのか」が即座に把握できます。一時的に別の担当者が対応する必要がある場合でも、過去のチャット履歴やファイル共有の記録がすべて残っているため、引き継ぎにかかる時間も短縮。「担当交代時の情報の抜けや認識ズレがなくなり、チーム全体の業務品質が安定しました」と、土井さんは実感を語ります。 自動化による恩恵は、スタッフだけでなく顧問先側にも及んでいます。チャットでの定期連絡や資料提出の依頼が自動で届くことで、顧問先も“次に何をすればいいか”を常に把握できるようになりました。こうした仕組みが結果的に、双方のやり取りを減らしながらも、やるべきことが確実に進む信頼関係を生み出しています。 さらに、TaxDomeの導入によって社内で利用するツール数を大幅削減できたことも効率化に拍車をかけました。 と、土井さんは語ります。 同社では、TaxDomeの導入から数ヶ月の時点で、顧客との連携効率が40%以上向上したと実感していたといいます。ツールの切り替えや重複作業が減ったことで、事務所全体の稼働バランスが改善し、必然的に顧問先への対応のスピードや品質の底上げにも繋がったとのことです。 顧客対応から社内連携まで:コミュニケーションを変えたひとつのプラットフォーム 税理士・会計事務所における日々の業務の中で、もっとも多くの時間を占めるのが「顧客とのやり取り」です。申告書や決算書の確認、領収書の送付依頼、進捗報告や質問のやり取りなど ── そのほとんどが小さなコミュニケーションの積み重ねです。税理士法人 MOVE ONでも、以前はメールやチャットワークなど複数のツールを使い分けていましたが、「情報が分散してしまい、誰がどこまで対応したかがわかりづらい」という課題を感じていたといいます。 と、土井さんは語ります。 顧問先とのチャットは、単なるメッセージ機能にとどまらず、ファイル共有やタスク連携とシームレスに結びつきます。たとえば顧問先が決算書を確認したいときは、TaxDome上で必要なファイルをすぐに閲覧・ダウンロードでき、そのまま同じ画面で質問やコメントを送ることもできます。顧客自身がTaxDome上で必要な書類を確認できるようになったことで、事務所と顧客の間の細かなやり取りが大幅に減り、双方にとって作業効率が格段に向上したとのことです。 さらに、顧問先の多くがTaxDomeの専用モバイルアプリを活用しており、スマートフォンからでも書類の確認・アップロード・チャットが可能となっています。顧客ごとのアプリ利用状況は事務所の管理画面から即座に確認できるため、利用が少ない顧問先には適切なフォローアップを行うなど、運用レベルでのサポートもスムーズに行えているとのことです。紙やメールを介さずに情報の流れが整備されたことで、顧問先からも「使いやすい税理士事務所」としての評価が高まり、顧客満足度の向上にも寄与しています。 […]
税理士の仕事はAI活用で減る?AIによる業務の効率化も!
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税理士の仕事はAI活用で減る?AIによる業務の効率化も!

AIが革新的なテクノロジーであることは間違いありませんが、実際にどのような変化をもたらすのでしょうか。本記事では、AIの進化と活用が税理士の未来にどのような影響を及ぼすかについて解説します。
業務一元管理を軸にしたTaxDome導入|杉本聖税理士事務所の活用事例
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業務一元管理を軸にしたTaxDome導入|杉本聖税理士事務所の活用事例

さいたま市浦和区を拠点とする「杉本聖税理士事務所」は、顧問業務から医療法人支援まで、実務の積み重ねによって専門領域を広げてきた税務・会計のプロフェッショナルチームです。 企業や個人事業者、医療法人など、関与する顧問先の形態やフェーズが異なるなかで、扱う情報や判断の前提が一様ではなく、業務の進め方や情報管理のあり方が、同事務所におけるオペレーション上の課題となっていました。 そうした状況を受けて、業務管理や顧客対応の在り方を見直し、DXへの取り組みの一環としてTaxDomeの導入を決定。顧客情報、資料、進捗状況を一つの基盤に集約することで、日々の業務を事務所全体で把握できる体制づくりを進めています。 今回お話を伺ったのは、同事務所の代表税理士である杉本聖さん、シニアコンサルタントの松原勇太さん、そしてTaxDome導入・運用を推進してきた池上純平さんの3名です。実際の現場でTaxDomeを活用している立場から、導入の背景や運用の工夫、使い続けるなかで見えてきた変化、そして現在も試行錯誤している点についてお話しいただきました。 目次 医療・建築分野に強みを持つ事務所だからこそ直面した情報管理の課題 情報分散への不安から、一元化という方針へ 情報を見る場所を一本化する判断 人が増えるなかで求められた共有基盤 現場で感じている使いやすさ 進捗管理と対応漏れの防止 今後を見据えた運用の考え方 事務所の成長とDXへの向き合い方 事務所の成長とともに、DXとどう向き合っていくか TaxDomeについて 目次 目次 医療・建築分野に強みを持つ事務所だからこそ直面した情報管理の課題 情報分散への不安から、一元化という方針へ 情報を見る場所を一本化する判断 人が増えるなかで求められた共有基盤 現場で感じている使いやすさ 進捗管理と対応漏れの防止 今後を見据えた運用の考え方 事務所の成長とDXへの向き合い方 事務所の成長とともに、DXとどう向き合っていくか TaxDomeについて 医療・建築分野に強みを持つ事務所だからこそ直面した情報管理の課題 杉本聖税理士事務所の特徴としてまず挙げられるのが、医療関係と建築関係に強みを持っている点です。法人顧問や個人の税務対応を軸としながら、単なる申告業務にとどまらず、事業全体の状況を踏まえた関与を行ってきました。近年はM&A事業にも取り組んでおり、税務・会計の枠にとらわれず、経営判断に関わる領域まで支援の幅を広げています。また、制度改正や新しいルールへの対応についても、顧問先任せにするのではなく、事務所として理解を深めたうえで、分かりやすく伝える姿勢を重視してきました。 こうした取り組みは、顧問先対応にとどまらず、外部向けの学習会やセミナーといった形でも表れています。インボイス制度のように実務への影響が大きいテーマについて、事業者向けに解説を行う機会を設けることで、制度理解を前提とした支援を行ってきました。 一方で、医療関係や建築関係の顧問先では、freeeやマネーフォワード クラウドといった会計ソフトを利用しているケースも多く、顧問先ごとに前提となるデータや管理方法が異なります。そのなかで、税務・会計ソフトとは別に、顧問先とのやり取りや資料、進捗状況をどこで管理するかという点が、事務所側の課題として次第に浮かび上がってきました。 このように、専門性の高い顧問先を支えるなかで、同事務所が扱う情報量や判断材料は年々増えています。どの資料が最新なのか、誰がどこまで対応しているのかをすぐに確認できない状態は、業務の効率だけでなく、判断の正確性にも影響します。そのため同事務所では、業務の進め方や情報管理のあり方を、事務所全体としてあらためて見直す必要性を感じるようになっていきました。 情報分散への不安から、一元化という方針へ TaxDome導入以前、杉本聖税理士事務所では、顧客とのやり取りや資料、進捗状況が複数のツールに分かれて管理されていました。顧問先からの連絡はメールやチャットツール、資料はクラウドストレージや紙といった形で散在し、「どこを見れば、今必要な情報がそろっているのか」を確認する作業が、日常業務のなかで少なからず発生していたといいます。 特に、医療や建築といった分野では、判断に必要な情報が断続的に発生します。過去のやり取りや資料を参照しながら意思決定を行う場面も多く、情報が分散している状態は、そのまま確認漏れや行き違いのリスクにつながりかねません。杉本さんも、そうした状況を踏まえ、業務そのもの以前に「必要な情報を確実に把握できる状態」を整える必要性を感じるようになっていたといいます。 そうした状況を受けて、同事務所のなかで次第に意識されるようになったのが、「すべてを一元的に把握できる状態」をつくることでした。単にツールを減らす、あるいは新しいツールを導入することが目的ではなく、必要な情報が一か所に集まり、誰が見ても同じ前提で状況を把握できること。その状態を実現することが、業務改善の軸として明確になっていきました。 検討の過程では、Notionの活用を継続する案や、Google Driveを中心とした運用に切り替える案に加え、MyKomonについても情報収集を行っていました。既存の業務フローやスタッフ構成、将来的な事務所の規模感を踏まえながら、「顧客情報、資料、進捗、やり取りを一つの画面で把握できるかどうか」という視点で比較検討を進めていったといいます。 と、杉本さんは語ります。 ツールを増やして管理を複雑にするのではなく、情報を見る場所を一本化する。その方針に最も合致した選択肢として、TaxDomeの導入を決定しました。 情報を見る場所を一本化する判断 TaxDome導入前、同事務所ではNotionを用いてタスク管理や情報整理を行っていました。業務を整理するうえで一定の役割は果たしていたものの、顧客情報や資料、顧問先とのやり取りまでを一元的に集約できていたわけではありません。結果として、「タスクはNotion」「資料はクラウドストレージ」「やり取りは別のツール」といった形で、情報の所在が分かれている状態が続いていました。 TaxDomeの導入を決めたあとも、すべてを一気に切り替えたわけではありません。池上さんは、「最初から完璧な形を目指すのではなく、まずは情報を見る場所を一つにすることを優先しました」と話します。どの資料が最新なのか、どこを見れば進捗が分かるのか。その“起点”をTaxDomeに置くことを意識し、少しずつ運用を移行していきました。 現在も、紙で受け取った資料をTaxDomeに取り込み、外出先や別のスタッフでも同じ情報を確認できる状態を整える作業が続いています。すべてが完全に移行できているわけではないものの、「TaxDomeを見れば、今の状況が分かる」という共通認識が事務所内に生まれつつあります。 この進め方について杉本さんは、「一気に変えるよりも、まずは集約する場所を決めることが大事だと思いました」と話します。ツールを使いこなすことよりも、情報が散らばらない状態を作ること。その考え方が、同事務所のDXの進め方を特徴づけています。 人が増えるなかで求められた共有基盤 TaxDome導入当時は4人体制だった事務所も、現在では7名ほどに増えています。人が増えることで対応できる業務の幅は広がる一方、業務内容や関与範囲が多様化し、情報共有や引き継ぎの重要性も高まってきました。 そうしたなか、最近では社会保険労務士のスタッフが新たに入社しましたが、入社日からTaxDomeを使って業務に入れる状態が整えられていました。顧問先の基本情報や進捗、これまでのやり取りをTaxDome上で確認できるため、個別に背景を説明しなくても、業務の全体像を把握しやすかったといいます。 このように、新しく加わったメンバーが早い段階から業務に関われる環境が整っていることは、TaxDomeが単なる業務支援ツールではなく、事務所全体を支える基盤として機能し始めていることを示しています。特定の担当者しか分からない情報を減らし、誰が見ても同じ前提で業務を進められる状態が、日々の運用のなかで少しずつ定着してきました。 人員構成や取り扱う業務領域が変化するなかで、TaxDomeは「まずここを見れば状況が分かる」場所として位置づけられつつあります。事務所運営を支える共通の業務インフラとして、その役割は徐々に明確になっています。 現場で感じている使いやすさ TaxDomeを使い続けるなかで、同事務所では、業務の進め方そのものに少しずつ変化が生まれています。特徴的なのは、「何かあれば、まずTaxDomeを見る」という行動が、事務所内で自然に定着してきている点です。顧問先に関する情報や資料、過去のやり取りを確認する際の起点が一つに定まったことで、確認のための動きがシンプルになりました。 杉本さんは、「Google Driveのような感覚でファイルを探せる点は分かりやすい」と話します。顧問先ごとに情報が整理されているため、必要な資料にたどり着くまでに迷う場面が減り、業務のテンポが崩れにくくなったと感じています。とりあえずTaxDomeを開けば、必要な情報がある。その感覚が、日常業務を支えています。 […]
TaxDomeのデモで、実際にご確認ください
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