税理士システムはどれが最適?インストール型とクラウド型を比較
会計事務所にとって税理士システムは業務を支える重要な基盤であり、欠かせない存在です。かつてはパソコンにインストールして使用するタイプが主流でしたが、近年では税理士システムにも大きな進化が見られるようになりました。
そこで本記事では、税理士システムの特徴についてインストール型とクラウド型を比較して、詳しくご紹介していきます。
目次
税理士システム選びのポイント
税理士システムは、税理士事務所にとって業務を効率よく進めるために非常に重要です。
そのため、事業の特性に合った税理士システムを選ぶことが大切であるといえます。この章では選定時に押さえておきたいポイントを紹介します。
- 導入コストを確認する
- 顧客層や事務所の方針に合ったソフトを選ぶ

導入コストの確認
特に新規開業時に税理士システムを導入する際、限られた予算で選ばざるを得ない場合があります。事業が軌道に乗るまでは、できるだけコストを抑えたいところです。
インストール型の税理士システムは購入時にまとまった初期費用がかかりますが、買い切りであればランニングコストは発生しません。
一方クラウド型の税理士システムは初期費用が安く、月々のサービス利用料がかかるためランニングコストがかかります。
事業の規模や使用頻度に合わせて、最適な税理士システムを選ぶことが重要です。インストール型・クラウド型の特徴については次章で詳しく解説します。
顧客層や事務所の方針に適したソフト選定
税理士システムを選ぶ際は、ターゲットとする顧客層に合ったものを選ぶことが大切です。
例えば20~30代の若手経営者などを対象にしている場合には、クラウド型の税理士システムが使いやすく、最新のツールを活用しているためすぐに馴染む可能性が高いです。
長年事業を営んでいる法人を顧客に持つ場合には、既存の税理士システムや社内システムとの連携を考慮して、インストール型の税理士システムの方が適していることが多いです。

税理士システムの種類
この章では税理士システムの種類について改めて解説しておきます。
インストール型
インストール型の税理士システムは、PCやサーバーに専用ソフトウェアをインストールして使用する形態です。通常社内LANの内部で運用されるため、オンラインでの不正アクセスやマルウェアのリスクが低いという利点があります。
基本的にローカル環境で稼働するため、ネットワークの帯域幅に影響されることなく、処理速度が安定している点もメリットの一つです。
また、多くのインストール型の税理士システムは永久ライセンスが提供され、購入後は期限なしで使用でき、導入後の維持費が発生しないため、コスト面でも有利です。
クラウド型
クラウド型の税理士システムでは、インターネットを通じて、クラウド上(サービス提供企業のサーバーや外部サーバーなど)にデータを保存します。
クラウド型の税理士システムの主な特徴は、「複数のユーザーが同一のバージョンで共通のデータを扱える」という点です。これにより、経理担当者、経営者、税理士など、関係者全員が同じデータを閲覧できます。
たとえ経理業務を外部に委託していても、社内のメンバーがデータにアクセスできるということは、事業運営にとって非常に役立ちます。
事業規模が大きくなり自社で経理を行うようになった場合でも、クラウド型の税理士システムを利用していれば、税理士からアカウントを引き継ぐだけで、スムーズに移行が可能です。
さらにクラウド型の税理士システムは、法改正に対してベンダー(サービス提供者)が対応してくれるため、社内で対応する必要がないという点も大きなメリットです。
「マネーフォワード(Money Forward)」や「フリー(freee)」は、クラウド型の税理士・会計士システムの代名詞的な存在ともいえる、多くの事務所で使われている会計ソフトです。デスクトップ向けの会計ソフトとして長い歴史を持つ弥生会計も、クラウド版を導入オプションとして使うことが可能です。
インストール型の税理士システムのメリット
この章ではインストール型の税理士システムのメリットについて解説します。
月額費用がかからない
インストール型の税理士システムは、購入時に一度費用を支払えば、その後のランニングコストが発生しないのが特徴です。
購入後は基本的に追加の維持費は不要ですが、オプションサービスの利用や税率変更に対応するためのアップデートには別途費用がかかることがあります。
消費税免税業者や税理士に確定申告を依頼している企業などは、購入したバージョンを長期間使用できる場合もあります。購入後に追加費用がかからない点は大きな利点と言えるでしょう。
システム障害の影響を受けない
インストール型の税理士システムは、クラウド型とは異なり、インターネット接続に依存することなく、ほとんどの作業をオフラインで実行できます。
インターネットが使えない場所や接続が不安定な場所でも作業できる点は、大きな利点です。
また、通常はインターネットに接続することがないため、ネットの通信速度やメンテナンスの影響を受けず、システム障害のリスクも低減します。インターネットに頼らないため、安定した会計作業を行うことができます。
インストール型の税理士システムのデメリット
この章ではインストール型の税理士システムのデメリットについて解説します。
バージョンアップ時の手間
インストール型の税理士システムでは、税制や会計の法令改正があるたびに、ソフトのアップデートを実施する必要があります。
バージョンアップは自動的に行われることはなく、ユーザー側で管理しなければなりません。
また、各ユーザーの端末ごとにバージョンアップを行う必要があります。
もし、法改正に対応した新しいバージョンを適用せずに古いバージョンを使い続けると、業務に支障が出る可能性があります。
法改正に迅速に対応するためには、ユーザー自身がアップデートの計画を立て、実施する必要があります。
そして、その際バージョンアップとともにデータのバックアップを取ることも大切です。ソフトによってはバックアップが自動で行われるものもありますが、手動で行う必要がある場合もあるため、導入前に確認しておくことをおすすめします。
デバイスの制限が大きい
インストール型の税理士システムは、ライセンスごとに1台のデバイスにしかインストールできません。
また、Macに対応しているインストール型の税理士システムは少なく、主にWindowsでの使用が推奨されます。そのため、ソフトの導入前に推奨される動作環境をしっかり確認することが重要です。
インストール型の税理士システムを使用する際には、セキュリティにも細心の注意を払う必要があります。
パソコンの盗難や紛失に備えて、デバイスの管理や定期的なバックアップを行うことが大切です。
クラウド型の税理士システムのメリット
クラウド型の税理士システムのメリットについて解説します。
インターネット接続さえあればどこでも利用可能
以前は、会計業務はオフィスでデスクに向かって行うものという印象がありました。しかし、クラウド型の税理士システムはその概念を一新しました。
クラウド型の税理士システムはオフィスだけでなく、自宅や外出先など、どこでも利用できるため、業務の場所を選びません。そのため、テレワークにも対応しており、特にコロナ禍では大いに役立ちました。
常に最新のソフトが利用でき、法改正にも対応
クラウド型の税理士システムを使用すれば、税法や会計法などの改正があった際に自動的に対応してくれます。これは、クラウド型の税理士システムがサービス提供者(ベンダー)によって管理されているためです。
法改正が行われるとベンダーがシステムを更新し、最新の法規制に合わせてアップデートを実施します。このアップデートはサービスに含まれているため、ユーザー自ら手続きする必要がなく、追加の費用も発生しません。
クラウド型の税理士システムは、法改正に伴う対応の手間を省き、常に最新のバージョンを使用できる点が大きな利点です。
バックアップの手間が不要
クラウド型の税理士システムでは、バージョンアップが自動で行われます。税制改正やソフトの更新が必要な場合でも、すべて自動で対応されるため、ユーザー側で特別な対応をする必要はありません。
一方、インストール型の税理士システムの場合、バージョンアップのためには新しいソフトを購入しなければなりません。
経理業務の効率化
クラウド型の税理士システムには、自動仕訳やデータ連携機能が備わっており、これにより業務の効率化が進みます。
自動仕訳機能は、取引データを入力することで、自動的に仕訳を行う仕組みです。これにより、手作業によるミスを減らし、仕訳にかかる時間について大幅に短縮できます。
また、データ連携機能は、銀行口座などの外部サービスと連携し、取引データを自動で取り込むことができます。この機能によって、手動でのデータ入力の手間を省き、入力ミスも防止できます。
リアルタイムでのデータ確認
クラウド型の税理士システムは、リアルタイムでデータを確認できるため、経営状況を即座に把握し、迅速な意思決定を行うことができます。
従来の税理士システムでは、データ更新に時間がかかり、最新の情報を得るためには定期的に更新作業を行わなければなりませんでした。そのため、経営状況を把握するのに時間がかかり、迅速な意思決定が難しくなってしまいました。
一方で、クラウド型の税理士システムは、データが常にリアルタイムで更新されるため、必要な時に最新の情報をすぐに確認することができます。これにより、経営状況を迅速に把握し、素早い意思決定が可能になります。
さらに、リアルタイムのデータ分析機能を活用すれば、経営状況をさらに詳しく分析し、戦略的な意思決定に役立てることもできます。
クラウド型の税理士システムのデメリット
クラウド型の税理士システムのデメリットについて解説します。
インターネット環境に依存
クラウド型の税理士システムは、インターネットを通じてクラウドサーバーに接続しないと利用できません。
インストール型の税理士システムとは異なり、インターネット環境が整っていないと、業務を進めることもデータにアクセスすることもできないため、その点に注意が必要です。
継続的なコストが発生
クラウド型の税理士システムは、導入後も定期的に利用料金が発生します。クラウド型の税理士システムがサブスクリプションサービスとして提供されているためです。
対して、一般的なインストール型の税理士システムは、初期費用のみで運用でき、その後の料金は発生しません。
まとめ
ここまで税理士システムについて解説してきました。
特にDX化による業務効率改善を課題とする税理士事務所・会計事務所には、より新しいスタイルである、クラウド型システムの導入が推奨されます。
DX先進国であるアメリカで開発された、税理士・会計事務所のための業務管理ツール「TaxDome(タックスドーム)」もクラウド型のツールであり、TaxDomeを、事務所スタッフ間、及び、事務所と顧問先との連携を含む、事務所の全業務オペレーションの土台として使いながら、クラウド型の会計ソフトを使い、実際の会計・税務コンサルティングを行うスタイルが、世界のアカウンティングコミュニティで主流となっています。
2024年に東京で開催された会計事務所博覧会でも大きな話題を集めたTaxDomeは日本でも利用が可能であり、既に、全国の多くの税理士事務所・会計事務所で導入がされています。
DX化・デジタル化推進におけるステップアップとして、無料トライアルや製品デモも提供されている、TaxDomeの導入検証をされることがオススメです。
士業事務所の業務改善やクラウド活用に関する調査・分析に携わる立場から、
バックオフィス改革やDX推進に役立つ実務的な情報を発信。専門分野は、会計・税務分野のクラウド化と業務フローの最適化。
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