#コラム記事, #税理士, #解説

税理士コミュニティの概要とメリット

(士業DXアドバイザー) 藤本理恵2025年7月18日 · 4 読了目安

事務所業務を、ひとつのプラットフォームで

分散していたツールを、会計事務所向けに設計されたTaxDomeへ。10,000以上の事務所、300万人超のクライアントに利用されています。
デモをリクエスト
税理士コミュニティの概要とメリット

税理士業を始めると、さまざまな問題や課題が浮かび上がることがあります。独立する税理士は事業主なので、相談できる相手が限られるケースもあります。そんな中、税理士コミュニティは、こうした悩みを共有し解決するための場として機能しています。

そこでこの記事では、税理士コミュニティの概要やメリットなどについて詳しく解説します。

目次

  1. 税理士コミュニティの概要
  2. 税理士コミュニティの形態
  3. 昨今のオンラインコミュニティの広がり
  4. オンラインコミュニティのメリット
  5. オンラインサロンを運営する際のポイント
  6. オンラインコミュニティの留意点
  7. まとめ

税理士コミュニティの概要

税理士が関与する可能性のあるコミュニティには、いくつかの種類があります。

  • 税理士試験の受験生の交流を目的とするコミュニティ
  • 税理士同士の交流を目的とするコミュニティ
  • 税理士と経営者・個人事業主の交流を目的とするコミュニティ

これらがその代表例です。

「税理士試験の受験生の交流を目的とするコミュニティ」では、受験生同士が試験勉強に関する情報を共有し合うだけでなく、合格者がアドバイスを提供することもよくあります。

「税理士と経営者・個人事業主の交流を目的とするコミュニティ」では、専門的な知識を持つ税理士が経営者、個人事業主に対して税法に関する情報を発信し、SNSやオンラインサロンを通じて交流を深める姿がよく見られます。

そして、「税理士同士の交流を目的とするコミュニティ」では、新しく独立した税理士が経験豊富な先輩にアドバイスを求めたり、開業を目指す税理士が同じく開業した先輩に準備について相談したりする場面が見られます。同業者同士が交流することで、経営に関する悩みや情報を共有し合うことや、異なる専門分野を持つ同業者とのつながりを通じて質問や案件の紹介が行われることもあります。

税理士コミュニティの形態

コミュニティの形態としては一般的にオフラインコミュニティとオンラインコミュニティがあります。この章ではコミュニティの形態について説明します。

オフラインコミュニティ

オフラインコミュニティは、参加者が実際に集まり、ディスカッションを行う場を指します。この形式はオンラインコミュニティに比べて、準備コストがかかりますし、取り組むのも手間がかかることが課題です。

具体的には、場所や時間の制約があるため、集客に工夫が必要である点がデメリットです。また、会場の確保や資材・資料の用意など、担当者の負担が大きい点もデメリットです。一方で、実際にユーザーに直接会えるため、親密な関係を築きやすいという点がメリットと言えるでしょう。しかし、「取り組みのしやすさ」という点では、オンラインコミュニティより不便であると考えられます。

税理士同士の交流を目的とするコミュニティの形態は、かつては主に対面で行われるオフラインのものが主流でした。通常、地元の税理士会に所属する税理士仲間との交流が中心で、同じ地域で働く税理士同士が情報を共有することが一般的でした。しかしこの形式では、他府県で事務所を開いている税理士とのネットワーク構築が難しく、同じ営業エリアや業務内容を持つ税理士との関係が親密になりすぎて負担になるケースもありました。特にオフラインのコミュニティに所属する税理士は、競合関係にある可能性が高く、自身の悩みや相談事を気軽に共有することが難しい面もあると言えるでしょう。

オンラインコミュニティ

最近ではインターネット環境が整備され、SNSなどのサービスが広まったことにより、オンライン上での関係構築が容易になりました。これにより、他の参加者と近い場所で業務を行っていなくても、気軽に交流できるような環境が整いつつあります。

具体的なオンラインコミュニティの例としては、「SNS」や「オンラインサロン」が挙げられます。どちらのコミュニティも、税理士などが情報を共有し、意見を交換する場として利用されています。「SNS」では参加者同士が自由に知識や経験を共有しますが、「オンラインサロン」は、サロンの主宰者が主導して運営しています。

特にSNSではユーザー同士で自由なコミュニケーションが可能ですが、オンラインサロンは主宰者とサロンメンバーとの交流の形がある程度限られているコミュニティと言えます。

なお、オンラインサロンの運営方法は主宰者やサロンの趣旨によって異なり、税理士同士の場合は、積極的な交流によって、事務所の経営などに関する情報を共有することがあります。一方で、税理士と経営者・個人事業主が参加するサロンでは、主宰者である税理士が中心となり、専門的な知識をサロンメンバーに提供することが一般的です。

昨今のオンラインコミュニティの広がり

この章では昨今のオンラインコミュニティの広がりについて説明します。今日のビジネスにおいてコミュニティは非常に大きな意味を持つ存在です。

コミュニティは競争優位性を形成する

税理士事務所だけでなく、企業が自社ブランドの一環としてオンラインコミュニティを築く動きが広がっています。ハーバード・ビジネス・レビューの記事においては、セールスフォースの国際的なコミュニティが企業の成功に寄与しており、同様に他の成功企業もコミュニティの力を活用している実例が紹介されています。

コミュニティが優れたビジネスモデルを生み出す

なぜ、ビジネスの成功にはコミュニティの構築が重要なのでしょうか。コミュニティの構築は優れたビジネスモデルを生み出し、卓越した競争力を得ることができるとされています。

その具体的な理由は以下の3つです。

  • コミュニティに熱心なメンバーが新規顧客の獲得に寄与し、顧客獲得コストを削減し、強力な口コミの拡散が実現するから
  • メンバーはコミュニティから離れにくくなり、顧客の維持率が向上し、顧客生涯価値が向上するから
  • メンバー同士が協力することで、カスタマーサービスの経費が削減され、利益率が向上するから

コロナ禍においてクライアントの意識が変化した

ユーザーの立場からオンラインコミュニティについて考えてみましょう。

今後、オンラインコミュニティプラットフォームの市場規模が拡大していくと予測されています。 この背景には、もちろん、新型コロナウイルスの影響があります。直接対面できる機会が減ったため、ユーザーはその代替としてオンラインコミュニティを利用していくであろうことが予測されます。

ただし、これはコロナ禍のみにおける一時的なブームだけではなく、新型コロナウイルス以前からのユーザーの意識自体が変化したことによる予測でもあります。

コミュニティは今もっとも取り組む意義のあるマーケ施策の一つ

オンラインコミュニティは、単に「ネット上でユーザーが交流する場」としてだけでなく、2020年代のマーケティングの焦点となるべき事項であると考えられています。税理士としてもオンラインコミュニティの重要性を無視できない時代であると言えるでしょう。

オンラインコミュニティのメリット

今日のビジネスにおいて大きな意味を持つオンラインコミュニティですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。この章では、税理士がコミュニティの運営側として関わる場合と参加者として関わる場合の双方の視点から説明します。

運営側として関わる場合のメリット

まずは、税理士が運営側として関わる場合のメリットを説明します。

クライアントの本音をキャッチしてニーズや不満を把握できる

税理士はオンラインコミュニティで、クライアントの本音やニーズを手軽に把握できます。個々にオフラインでアンケートを取ると手間や費用がかかりますが、オンラインコミュニティではクライアントが自発的に意見を共有してくれる傾向があるため、クライアントのへのヒアリングがスムーズに行えます。熱心なクライアントが集まるオンラインコミュニティなら、多彩で有益な意見が寄せられるでしょう。

クライアントのロイヤリティを高めることができる

オンラインコミュニティにおいて、税理士とクライアントが密にやりとりすることは、クライアントのロイヤリティを向上させ、結果的にクライアントを熱狂的なファンに変えることができるケースがあります。

クライアントのロイヤリティは信頼や愛着を意味し、長期的な信頼関係の構築に不可欠です。クライアントのロイヤリティの向上は、クライアントがサービスに支払う金額を増加させることに寄与します。例えば、関連のサービスを同時に受けること(クロスセル)や、より高額なサービスを受ける(アップセル)などが挙げられます。

また、高いロイヤリティはサービスへの強い愛着を示すものであり、購入頻度(リピート率)も自然と高まります。これらの成果により、クライアント単価の向上に繋がります。

サポートのコストを削減できる

オンラインコミュニティを活用することで、カスタマーサポートのコストを削減することが期待できます。具体的には、ナレッジ共有コミュニティがその一環です。

たとえば、Googleが管理するGoogle検索コミュニティでは、日々様々なGoogle検索に関する質問が投稿され、ユーザーがその回答を提供しています。Googleは膨大なユーザー数を抱えており、これらの質問に一つ一つ直接対応することはコスト的にも難しいです。しかし、オンラインコミュニティ上でユーザー同士がお互いに問題を解決してくれることが、サポートコストを削減する一因となっています。

参加者として関わる場合のメリット

税理士がオンラインコミュニティに参加者として関わる場合には、以下のメリットがあります。

同じ価値観を持つ仲間とつながれる

同じ価値観を共有する仲間と出会えることも、税理士が参加者として関わる際の重要なメリットです。オンラインコミュニティは単なる情報交換の場に留まらず、共通の価値観を持った人たちが結びつく場としての機能を果たします。

学びの場として活用できる

オンラインコミュニティは、学びや出会いの場として活用できます。新しい知識を学べるコミュニティに参加することで、自分のスキルアップが可能です。個人としての成長やスキル向上も、コミュニティ参加の魅力の一環です。同じ興味を持つメンバーが集まるため、学びの場としてだけでなく、新しい人との出会いの場としても有益です。

オンラインサロンを運営する際のポイント

この章では、自分でオンラインサロンを運営しようと考えている税理士の方に向けて、注意すべきポイントを説明します。

高品質なコンテンツ提供

オンラインサロンを運営するために最も重要なことの一つは、コンテンツの質を向上させ、価値ある情報を提供することです。価格が手頃でも、コンテンツが付加価値を持たないと、参加者は興味を持たず離れていってしまいます。

サロンメンバーにとって、月会費以上の価値があると感じさせる情報を定期的に提供するよう心がけましょう。また、更新頻度も重要です。特に、何かを学びたいと考えるメンバーが集まるサロンでは、高品質な情報を頻繁に共有することが必要です。

密なコミュニケーション

サロンメンバーは、サロンオーナーの投稿に反応したり、コメントを返したりします。質問のスレッドがあれば、積極的に質問も投稿してきます。投稿が多くなると、全てに応じるのが難しいかもしれませんが、できるだけ早く返信するなど、頻繁なコミュニケーションが肝要です。

他にも、サロンメンバーが投稿した内容に対してコメントするなどのアクションを起こすことも、コミュニケーションを深める有効な手段です。

定期的なイベント開催

Zoomを使用してのイベントや対面のイベントなどを企画して、コミュニケーションを密に築くことも大切です。外部の講師を招いて勉強会を催すのも一つの手段です。こうしたイベントを通じて、サロンメンバー同士のつながりも強化されます。メンバー同士の交流が増し、快適な雰囲気を醸成することも、サロン運営において重要な要素です。

居心地の良い環境の提供

サロン内には、時折、場を乱すような人が現れることがあります。また、サロン内で派閥ができ、新規参加者がなかなか馴染みにくい雰囲気になってしまうこともあるでしょう。こうした問題が発生しないようにするには、サロン内の状況をしっかりとコントロールする必要があります。

特に新メンバーがどのように参加すればいいのか迷うことがないように、ガイドラインを設けたり、フォローアップを行ったりすることが大切です。

オンラインコミュニティの留意点

様々なメリットがあるオンラインコミュニティですが、デメリットもあります。この章では、オンラインコミュニティの留意すべき点に焦点を当ててみましょう。

別途集客が必要な場合がある

近年はオンラインコミュニティが増加し、激しい競争が広がっています。このような状況では、商品やサービスを提供するだけでなく、オンラインコミュニティへの集客も重要です。SNSはオンラインコミュニティとの相性が良いため、積極的な情報発信が不可欠です。

運営には費用や手間がかかる可能性がある

オンラインコミュニティは、「人を集めれば終わり」というわけではなく、継続的にコンテンツを提供し続ける必要があります。コンテンツの質が低下すると、集まったメンバーが離れてしまう可能性があるため、コンテンツ作成に追われることもあります。また、メンバーが多いほど運営にも手間がかかるため、運営側の負担についてもしっかりと事前に考慮しておくべきです。

参加者を取り残さない

コミュニティを盛り上げるには十分な熱量が必要ですが、運営側の熱量だけが高すぎるとユーザーがついていけず、逆に遠ざかってしまうことがあります。コミュニティを運営する際は、ユーザーや周囲の反応を確認しながら適切な熱量で進めることが重要です。

早急に成果を求めない

運営側がコミュニティ運営で成果を求めることは理解できますが、急激な成果を求めすぎると、運営者とユーザーの期待がかみ合わず、ユーザー離れを招きかねません。成果には時間がかかることを理解し、着実に確実に運営を進めましょう。

成果に固執しすぎない

コミュニティを運営する以上、コミュニティの成果に焦点を当てて考えるケースもあるでしょう。しかし、サービスを一方的に押し売りするようなアプローチでは、ユーザーを引き付けることは難しいです。コミュニティは運営者とユーザーが共に関与し、双方向で価値を共創する場であるべきです。ユーザーと対話を行うことを重視しましょう。

まとめ

税理士同士のコミュニティは、従来はオフラインで閉鎖的な空間が主流でしたが、現在ではインターネットの整備によりオンラインでのオープンな環境が一般的になっています。

結果として、税理士は異なる地域で活動する同業者と簡単につながり、自身が求める知識やノウハウを吸収できる機会を広げることができます。また、参加するコミュニティによっては新しいアイデアや知見に触れ、視野を拡げることもできます。

コミュニティには有料と無料、さらにテーマや活動方針の違いがあり、自身のニーズに合ったものを選んで、事務所経営に積極的に活かしていくべきであると言えます。

そして、税理士コミュニティの運用においては税理士同士もしくは事務所とクライアントが連携・連絡を取り合うプラットフォームとなるTaxDome(タックスドーム)に代表される、クラウド型の業務管理ツールを活用することが実用的でオススメです。

(士業DXアドバイザー) 藤本理恵
執筆者: (士業DXアドバイザー) 藤本理恵
48 記事

士業事務所の業務改善やクラウド活用に関する調査・分析に携わる立場から、
バックオフィス改革やDX推進に役立つ実務的な情報を発信。専門分野は、会計・税務分野のクラウド化と業務フローの最適化。

2025年に成果を伸ばした会計事務所の取り組みを解説
無料ガイドをダウンロード

成果を上げ続ける会計事務所と、伸び悩む事務所の違いは何でしょうか。TaxDomeを活用する上位20事務所(累計売上1億ドル超)を分析し、成長を支える共通点をまとめました。

おすすめ記事

TaxDome導入で実現した業務効率化と顧客満足|税理士法人 MOVE ONの活用事例
4 分

TaxDome導入で実現した業務効率化と顧客満足|税理士法人 MOVE ONの活用事例

福井県福井市に拠点を置く「税理士法人 MOVE ON」は、主に中小企業の成長支援を軸とする会計・税務・経営コンサルのプロフェッショナル集団。「数字の先にある人の想い」を大切にし、経営者の人生そのものに寄り添うスタイルで、財務・会計の枠を超えた総合的な経営支援を行っています。 経営数字の背後にあるストーリーを読み解き、社長の人生設計や事業の方向性まで共に考える姿勢は、多くの中小企業経営者から厚い信頼を得ています。 同社は、税務や会計にとどまらず、財務支援や補助金申請、事業承継支援などにも積極的に取り組み、企業の持続的な成長を多角的にサポートしています。こうした中小企業の経営課題に幅広く寄り添う姿勢は、税理士法人 MOVE ONならではの特徴のひとつです。2023年には、全国約1,700の会計事務所の中から「経営革新等支援機関推進協議会」により3年連続TOP100事務所に選出され、その実践的な支援体制と社会的な貢献が高く評価されました。 福井を拠点にしながらも、全国各地の企業から相談を受けるなど、地域に根ざしつつ広い視野で経営サポートを行う同社。クラウドツールやDXへの取り組みにも積極的で、常に「より良い働き方」「より高い顧客満足」を実現するための新しい方法を模索し続けています。 さらに、同社が展開するコンサルティング会社「一般社団法人 MUSCLE and MONEY」では、“勝ち残りたい小企業のためのサバイバル戦略”を掲げ、経営の現場に寄り添った実務支援や戦略設計を推進しています。財務・会計にとどまらず、企業が持続的に成長していくために必要な視点を多角的に捉え、未来に向けた経営基盤づくりを後押しするこの姿勢は、税理士法人 MOVE ONの仕事観そのものを象徴するものです。こうした「経営の継続性」を重視する考え方は、日々の業務や顧客支援のあり方にも一貫して息づいています。 本日は、同社代表の孫崎健次さん、そして実務の中心を担う土井有香さんに、TaxDome導入の背景と、業務現場での活用についてお話を伺いました。 目次 複数ツールを使って見えた“限界”と、TaxDome導入の背景と決め手 自動化と一元管理がもたらした、業務革新とチーム連携の進化 顧客対応から社内連携まで:コミュニケーションを変えたひとつのプラットフォーム 理念と実務をつなぐ、士業DXのブループリント 目次 目次 複数ツールを使って見えた“限界”と、TaxDome導入の背景と決め手 自動化と一元管理がもたらした、業務革新とチーム連携の進化 顧客対応から社内連携まで:コミュニケーションを変えたひとつのプラットフォーム 理念と実務をつなぐ、士業DXのブループリント 複数ツールを使って見えた“限界”と、TaxDome導入の背景と決め手 多くの税理士・会計事務所にとって、顧問先とのデータ共有やコミュニケーションをいかに効率的に行うかは、常に頭を悩ませるテーマです。税理士法人 MOVE ONでも、電子帳簿保存法への対応が求められ始めた時期に、まずは既存の従来型のデータ共有ツールをいくつか試してみたとのことです。 当初、顧問先とのデータ共有には、税理士・会計事務所向けのクラウドのファイル共有ツールを試していました。電子帳簿保存法に対応していた点は魅力でしたが、実際に使ってみると、事務所へデータ共有を行う度に、顧問先がすべての項目を手入力する必要があり、ツール操作の説明にも30分以上かかってしまったといいます。入力作業の負担が大きく、顧問先にとっても使いづらいもので、事務所側もフォローに多くの時間を取られてしまいました。「事務所サイドとお客様サイド、お互いにとって便利な仕組みを探して、試行錯誤していた時期でした」と、土井さんは当時を振り返ります。 その後、Windowsのエクスプローラーに近い操作感を持つ別のファイル共有ツール「セキュアSAMBA」も試してみたとのことです。フォルダ構成で整理しやすく、使い勝手の面では悪くありませんでしたが、あくまでファイル共有の範囲にとどまり、このツールを導入することにより、顧問先とのやり取りや業務全体の流れを根本的に改善するには至りませんでした。 一方、TaxDomeでは、専用のデスクトップアプリを使えば、セキュアSAMBAのようにエクスプローラー感覚でファイルを操作できます。同じ使い勝手を保ちながら、ファイル共有だけでなく、顧客とのチャットやタスク管理、電子署名といった機能まで同一プラットフォーム上で完結できる。そのため、SAMBAを使い続ける必要はなく、ファイル共有のソリューションとして、TaxDomeに移行することにより、「業務全体を見渡しながら、お客様との関係も一元的に管理できるようになる」と、土井さんは確信したとのことです。 当時、事務所の業務は日々複雑化していました。月次処理や年末調整、確定申告など、顧問先ごとに異なるスケジュールと依頼内容を正確に把握し、スタッフ間で連携を取りながら進める必要があります。従来のように「ファイル管理はAのツール」「チャットはBのアプリ」「タスクはスプレッドシート」といった分散運用では、情報が点在し、作業の重複や見落としも発生しがちでした。 「お客様から『この資料、どこにアップしましたっけ?』と聞かれるたびに、スタッフがそれぞれのツールを確認して回る。これでは本来の業務に集中できない」と、土井さんは感じていました。 TaxDomeの導入を検討する際には、単に“機能が多い”という理由ではなく、「チーム全員が迷わず使えるか」「顧問先にとって負担がないか」を重視したとのことです。 こうして同社は、段階的にTaxDomeを導入。まずはデータ共有とチャット機能から運用を始め、すぐにタスク・案件管理、自動化設定へと活用の幅を広げていきました。結果として、TaxDome導入から約1年で、従来使用していた4つのツールを一本化でき、運用コスト・スタッフ工数の大幅な削減に繋げることができたとのことです。業務と顧客対応の両面で、すでに導入初期から大きな成果を実感していたといいます。 自動化と一元管理がもたらした、業務革新とチーム連携の進化 TaxDome導入後、同社で最も大きな変化が見られたのが「自動化」と「一元管理」でした。税理士・会計事務所の業務は、毎月発生する定型タスクと、案件ごとに異なるスポット業務の組み合わせで構成されています。特に月初は、源泉徴収や給与計算、帳簿データの確認依頼など、事務所全体が同時多発的に動く“最繁忙期”でもあります。 以前は、毎月、各顧問先ごとに案件を手作業で作成していましたが、現在はTaxDome上でそのプロセスを完全に自動化できているとのことです。月初の1日に案件が自動で立ち上がり、担当者が都度作成する必要がなくなったことにより、各業務の立ち上がりがスムーズになり、「月初に集中していた作業負担が大幅に軽減された」とのことです。 たとえば「源泉ダイレクト」という月次案件では、毎月同じ処理が必要になるため、TaxDomeの自動化設定を活用。チャット形式でのお客様への案内メッセージも同時に自動送信されるようにしており、担当者は個別にメッセージを作成する必要がなくなったとのことです。こうした一連の作業がすべて自動で立ち上がるようになったことで、手作業のタスク作成やリマインド作業がほぼゼロに。「担当者が手を動かす時間が大幅に減り、クライアントへのフォローや内容確認など、本質的な業務に集中できる体制を築くことができた」と、土井さんはTaxDome導入効果を振り返ります。 また、タスクや案件の進捗状況がリアルタイムで可視化されるようになったことも大きなメリットのひとつとのことです。担当者だけでなく、管理者や他のチームメンバーもステータスを一目で確認できるため、「いまどの顧問先がどの段階にあるのか」「誰がボールを持っているのか」が即座に把握できます。一時的に別の担当者が対応する必要がある場合でも、過去のチャット履歴やファイル共有の記録がすべて残っているため、引き継ぎにかかる時間も短縮。「担当交代時の情報の抜けや認識ズレがなくなり、チーム全体の業務品質が安定しました」と、土井さんは実感を語ります。 自動化による恩恵は、スタッフだけでなく顧問先側にも及んでいます。チャットでの定期連絡や資料提出の依頼が自動で届くことで、顧問先も“次に何をすればいいか”を常に把握できるようになりました。こうした仕組みが結果的に、双方のやり取りを減らしながらも、やるべきことが確実に進む信頼関係を生み出しています。 さらに、TaxDomeの導入によって社内で利用するツール数を大幅削減できたことも効率化に拍車をかけました。 と、土井さんは語ります。 同社では、TaxDomeの導入から数ヶ月の時点で、顧客との連携効率が40%以上向上したと実感していたといいます。ツールの切り替えや重複作業が減ったことで、事務所全体の稼働バランスが改善し、必然的に顧問先への対応のスピードや品質の底上げにも繋がったとのことです。 顧客対応から社内連携まで:コミュニケーションを変えたひとつのプラットフォーム 税理士・会計事務所における日々の業務の中で、もっとも多くの時間を占めるのが「顧客とのやり取り」です。申告書や決算書の確認、領収書の送付依頼、進捗報告や質問のやり取りなど ── そのほとんどが小さなコミュニケーションの積み重ねです。税理士法人 MOVE ONでも、以前はメールやチャットワークなど複数のツールを使い分けていましたが、「情報が分散してしまい、誰がどこまで対応したかがわかりづらい」という課題を感じていたといいます。 と、土井さんは語ります。 顧問先とのチャットは、単なるメッセージ機能にとどまらず、ファイル共有やタスク連携とシームレスに結びつきます。たとえば顧問先が決算書を確認したいときは、TaxDome上で必要なファイルをすぐに閲覧・ダウンロードでき、そのまま同じ画面で質問やコメントを送ることもできます。顧客自身がTaxDome上で必要な書類を確認できるようになったことで、事務所と顧客の間の細かなやり取りが大幅に減り、双方にとって作業効率が格段に向上したとのことです。 さらに、顧問先の多くがTaxDomeの専用モバイルアプリを活用しており、スマートフォンからでも書類の確認・アップロード・チャットが可能となっています。顧客ごとのアプリ利用状況は事務所の管理画面から即座に確認できるため、利用が少ない顧問先には適切なフォローアップを行うなど、運用レベルでのサポートもスムーズに行えているとのことです。紙やメールを介さずに情報の流れが整備されたことで、顧問先からも「使いやすい税理士事務所」としての評価が高まり、顧客満足度の向上にも寄与しています。 […]
税理士の仕事はAI活用で減る?AIによる業務の効率化も!
3 分

税理士の仕事はAI活用で減る?AIによる業務の効率化も!

AIが革新的なテクノロジーであることは間違いありませんが、実際にどのような変化をもたらすのでしょうか。本記事では、AIの進化と活用が税理士の未来にどのような影響を及ぼすかについて解説します。
業務一元管理を軸にしたTaxDome導入|杉本聖税理士事務所の活用事例
4 分

業務一元管理を軸にしたTaxDome導入|杉本聖税理士事務所の活用事例

さいたま市浦和区を拠点とする「杉本聖税理士事務所」は、顧問業務から医療法人支援まで、実務の積み重ねによって専門領域を広げてきた税務・会計のプロフェッショナルチームです。 企業や個人事業者、医療法人など、関与する顧問先の形態やフェーズが異なるなかで、扱う情報や判断の前提が一様ではなく、業務の進め方や情報管理のあり方が、同事務所におけるオペレーション上の課題となっていました。 そうした状況を受けて、業務管理や顧客対応の在り方を見直し、DXへの取り組みの一環としてTaxDomeの導入を決定。顧客情報、資料、進捗状況を一つの基盤に集約することで、日々の業務を事務所全体で把握できる体制づくりを進めています。 今回お話を伺ったのは、同事務所の代表税理士である杉本聖さん、シニアコンサルタントの松原勇太さん、そしてTaxDome導入・運用を推進してきた池上純平さんの3名です。実際の現場でTaxDomeを活用している立場から、導入の背景や運用の工夫、使い続けるなかで見えてきた変化、そして現在も試行錯誤している点についてお話しいただきました。 目次 医療・建築分野に強みを持つ事務所だからこそ直面した情報管理の課題 情報分散への不安から、一元化という方針へ 情報を見る場所を一本化する判断 人が増えるなかで求められた共有基盤 現場で感じている使いやすさ 進捗管理と対応漏れの防止 今後を見据えた運用の考え方 事務所の成長とDXへの向き合い方 事務所の成長とともに、DXとどう向き合っていくか TaxDomeについて 目次 目次 医療・建築分野に強みを持つ事務所だからこそ直面した情報管理の課題 情報分散への不安から、一元化という方針へ 情報を見る場所を一本化する判断 人が増えるなかで求められた共有基盤 現場で感じている使いやすさ 進捗管理と対応漏れの防止 今後を見据えた運用の考え方 事務所の成長とDXへの向き合い方 事務所の成長とともに、DXとどう向き合っていくか TaxDomeについて 医療・建築分野に強みを持つ事務所だからこそ直面した情報管理の課題 杉本聖税理士事務所の特徴としてまず挙げられるのが、医療関係と建築関係に強みを持っている点です。法人顧問や個人の税務対応を軸としながら、単なる申告業務にとどまらず、事業全体の状況を踏まえた関与を行ってきました。近年はM&A事業にも取り組んでおり、税務・会計の枠にとらわれず、経営判断に関わる領域まで支援の幅を広げています。また、制度改正や新しいルールへの対応についても、顧問先任せにするのではなく、事務所として理解を深めたうえで、分かりやすく伝える姿勢を重視してきました。 こうした取り組みは、顧問先対応にとどまらず、外部向けの学習会やセミナーといった形でも表れています。インボイス制度のように実務への影響が大きいテーマについて、事業者向けに解説を行う機会を設けることで、制度理解を前提とした支援を行ってきました。 一方で、医療関係や建築関係の顧問先では、freeeやマネーフォワード クラウドといった会計ソフトを利用しているケースも多く、顧問先ごとに前提となるデータや管理方法が異なります。そのなかで、税務・会計ソフトとは別に、顧問先とのやり取りや資料、進捗状況をどこで管理するかという点が、事務所側の課題として次第に浮かび上がってきました。 このように、専門性の高い顧問先を支えるなかで、同事務所が扱う情報量や判断材料は年々増えています。どの資料が最新なのか、誰がどこまで対応しているのかをすぐに確認できない状態は、業務の効率だけでなく、判断の正確性にも影響します。そのため同事務所では、業務の進め方や情報管理のあり方を、事務所全体としてあらためて見直す必要性を感じるようになっていきました。 情報分散への不安から、一元化という方針へ TaxDome導入以前、杉本聖税理士事務所では、顧客とのやり取りや資料、進捗状況が複数のツールに分かれて管理されていました。顧問先からの連絡はメールやチャットツール、資料はクラウドストレージや紙といった形で散在し、「どこを見れば、今必要な情報がそろっているのか」を確認する作業が、日常業務のなかで少なからず発生していたといいます。 特に、医療や建築といった分野では、判断に必要な情報が断続的に発生します。過去のやり取りや資料を参照しながら意思決定を行う場面も多く、情報が分散している状態は、そのまま確認漏れや行き違いのリスクにつながりかねません。杉本さんも、そうした状況を踏まえ、業務そのもの以前に「必要な情報を確実に把握できる状態」を整える必要性を感じるようになっていたといいます。 そうした状況を受けて、同事務所のなかで次第に意識されるようになったのが、「すべてを一元的に把握できる状態」をつくることでした。単にツールを減らす、あるいは新しいツールを導入することが目的ではなく、必要な情報が一か所に集まり、誰が見ても同じ前提で状況を把握できること。その状態を実現することが、業務改善の軸として明確になっていきました。 検討の過程では、Notionの活用を継続する案や、Google Driveを中心とした運用に切り替える案に加え、MyKomonについても情報収集を行っていました。既存の業務フローやスタッフ構成、将来的な事務所の規模感を踏まえながら、「顧客情報、資料、進捗、やり取りを一つの画面で把握できるかどうか」という視点で比較検討を進めていったといいます。 と、杉本さんは語ります。 ツールを増やして管理を複雑にするのではなく、情報を見る場所を一本化する。その方針に最も合致した選択肢として、TaxDomeの導入を決定しました。 情報を見る場所を一本化する判断 TaxDome導入前、同事務所ではNotionを用いてタスク管理や情報整理を行っていました。業務を整理するうえで一定の役割は果たしていたものの、顧客情報や資料、顧問先とのやり取りまでを一元的に集約できていたわけではありません。結果として、「タスクはNotion」「資料はクラウドストレージ」「やり取りは別のツール」といった形で、情報の所在が分かれている状態が続いていました。 TaxDomeの導入を決めたあとも、すべてを一気に切り替えたわけではありません。池上さんは、「最初から完璧な形を目指すのではなく、まずは情報を見る場所を一つにすることを優先しました」と話します。どの資料が最新なのか、どこを見れば進捗が分かるのか。その“起点”をTaxDomeに置くことを意識し、少しずつ運用を移行していきました。 現在も、紙で受け取った資料をTaxDomeに取り込み、外出先や別のスタッフでも同じ情報を確認できる状態を整える作業が続いています。すべてが完全に移行できているわけではないものの、「TaxDomeを見れば、今の状況が分かる」という共通認識が事務所内に生まれつつあります。 この進め方について杉本さんは、「一気に変えるよりも、まずは集約する場所を決めることが大事だと思いました」と話します。ツールを使いこなすことよりも、情報が散らばらない状態を作ること。その考え方が、同事務所のDXの進め方を特徴づけています。 人が増えるなかで求められた共有基盤 TaxDome導入当時は4人体制だった事務所も、現在では7名ほどに増えています。人が増えることで対応できる業務の幅は広がる一方、業務内容や関与範囲が多様化し、情報共有や引き継ぎの重要性も高まってきました。 そうしたなか、最近では社会保険労務士のスタッフが新たに入社しましたが、入社日からTaxDomeを使って業務に入れる状態が整えられていました。顧問先の基本情報や進捗、これまでのやり取りをTaxDome上で確認できるため、個別に背景を説明しなくても、業務の全体像を把握しやすかったといいます。 このように、新しく加わったメンバーが早い段階から業務に関われる環境が整っていることは、TaxDomeが単なる業務支援ツールではなく、事務所全体を支える基盤として機能し始めていることを示しています。特定の担当者しか分からない情報を減らし、誰が見ても同じ前提で業務を進められる状態が、日々の運用のなかで少しずつ定着してきました。 人員構成や取り扱う業務領域が変化するなかで、TaxDomeは「まずここを見れば状況が分かる」場所として位置づけられつつあります。事務所運営を支える共通の業務インフラとして、その役割は徐々に明確になっています。 現場で感じている使いやすさ TaxDomeを使い続けるなかで、同事務所では、業務の進め方そのものに少しずつ変化が生まれています。特徴的なのは、「何かあれば、まずTaxDomeを見る」という行動が、事務所内で自然に定着してきている点です。顧問先に関する情報や資料、過去のやり取りを確認する際の起点が一つに定まったことで、確認のための動きがシンプルになりました。 杉本さんは、「Google Driveのような感覚でファイルを探せる点は分かりやすい」と話します。顧問先ごとに情報が整理されているため、必要な資料にたどり着くまでに迷う場面が減り、業務のテンポが崩れにくくなったと感じています。とりあえずTaxDomeを開けば、必要な情報がある。その感覚が、日常業務を支えています。 […]
TaxDomeのデモで、実際にご確認ください
フォームが表示されない場合は、お電話(03-6823-4619) またはメール ([email protected])でご連絡ください。ミーティングのご予約をサポートいたします。